薬剤師が投資をギャンブルにしない理由 〜薬と株は同じリスク管理だった〜

投資・FIRE

公開日:2026年05月03日|たくぽん


投資を始める前、リスクの意味がわかっていなかった

正直に言います。投資を始める前、「投資リスク」という言葉の意味を、私はちゃんと理解していませんでした。

「リスク=損をする可能性がある」という程度の認識はありました。でも、どれくらいのリスクなのか、どう向き合えばいいのか、まったくイメージできていませんでした。

そんな私が、投資を「ギャンブルではなく資産形成」として続けられるようになったのは、ある気づきがあったからです。

投資のリスク管理は、薬剤師の日常業務とまったく同じ構造をしていた。


薬剤師の仕事は、毎日リスクと向き合うこと

薬剤師の業務の中に、こんな場面があります。

患者さんから「この薬を飲み始めてから、なんか気持ち悪くて……続けた方がいいですか?」と相談を受ける瞬間です。

このとき、私がやることはシンプルです。

  • この薬で得られる治療効果はどれくらいか
  • 今出ている副作用の程度はどれくらいか
  • 薬を続けた場合と、やめた場合、どちらが患者さんにとってよりいい選択か

この3つを整理して、患者さんと一緒に「どうするか」を考えます。

これが薬剤師にとっての日常です。治療のベネフィット(効果)と、副作用のリスクを天秤にかけて、最善の判断をする。それを毎日繰り返しています。


投資のリスク管理は、薬と同じ構造だった

投資を勉強し始めたとき、「あ、これ同じだ」と気づきました。

薬の世界投資の世界
治療効果(ベネフィット)期待リターン
副作用リスク損失リスク
用量(投与量)投資金額
服薬期間投資期間
患者さんの体質・状態自分のリスク許容度

薬は「効果が高くてもリスクが高すぎれば使えない」ことがあります。逆に「効果が低くてもリスクもほぼゼロ」なら使いやすい薬になります。

投資もまったく同じです。「リターンが大きくてもリスクが高すぎれば、自分に合わない」。「リターンが控えめでもリスクが低ければ、長く続けやすい」。

この構造が腑に落ちた瞬間、投資がギャンブルではなく「判断のプロセス」として見えてきました。


それでも、やらかした話をします

「リスク管理を理解している」と思っていた私も、実際にはやらかしました。

中東情勢が悪化したとき、保有していた株が一気に下落しました。初めての本格的な急落です。

頭では「長期投資なんだから、一時的な下落は気にしない」とわかっていました。でも、実際に数字が赤くなっていくのを見ると、感情が追いつかない。気づいたら「これ以上損が増える前に売ろう」と、狼狽売りをしていました。

薬の世界に例えるなら、「副作用が出た瞬間にパニックになって、主治医に相談もせず勝手に服薬をやめてしまった」ような状態です。

その後、株価は回復していきました。


狼狽売りから学んだこと

この経験で気づいたのは、知識と感情は別物だということです。

リスク管理の理論を理解していても、実際に損失が出たときの感情的な揺れはまた別の話です。薬剤師として「副作用のリスクを理解している」のと、「自分が副作用を経験したとき冷静でいられるか」は、別の問題です。

だからこそ、私がやるようになったのはこの2つです。

① 最初から「下落しても売らない金額」だけ投資する 生活に必要なお金は投資に回さない。投資に回しているのは、なくなっても生活が揺るがない余剰資金だけです。これだけで、急落時のパニックがかなり減ります。

② 下落したら「薬の副作用チェック」をする感覚で確認する 株価が下がったとき、まず「なぜ下がったか」を確認します。一時的な外部要因(中東情勢など)なのか、企業自体の問題なのか。薬の副作用も「一時的なもの」と「続くなら対処が必要なもの」で対応が変わるように、投資も原因によって対応が変わります。


まとめ:リスクは「怖いもの」じゃなく「管理するもの」

薬剤師として働いていると、リスクは「避けるもの」ではなく「理解して管理するもの」だという感覚が自然と身につきます。

投資のリスクも同じです。リスクをゼロにすることはできません。でも、理解して、自分に合った量で、長い目で向き合えば、それはギャンブルではなく資産形成になります。

私はまだ失敗もするし、感情に振り回されることもあります。でも、薬剤師として培ってきた「リスクと向き合う思考」が、投資を続ける上での土台になっていることは確かです。

次の記事では、「株を始める前にやってよかったこと」を具体的に紹介します。


※ 本記事は個人の体験に基づくものです。投資は自己責任でお願いします。

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