今回は第107回薬剤師国家試験の問題を解説します。
答えを教えるだけではなく、どういった視点や考え方が必要なのかを中心に説明します。
解説を読むうえで、この記事の考え方を先に読んでいただくと、より理解しやすくなります。
簡単に自己紹介
taku(@taku159_)といいます。
慶應義塾大学薬学部を卒業し、現役で国試合格。
がん治療、緩和治療に貢献できるよう、日々認定取得に向けて自己研鑽中。
新人教育にも携わっており、一緒に薬剤師業界を盛り上げていく仲間を募集しています。
この記事を読んでほしい人
・薬剤師国家試験を現役合格したい人
・将来薬剤師として働く際、どういった視点が必要なのか知りたい人
問題の解説を読んで、誤った勉強をしてしまうのはもったいないです。
要点をおさえた勉強を一緒にしていきましょう。
第107回薬剤師国家試験 問204、205、207
問 204−207 50 歳男性。高血圧の治療のため、近隣の内科クリニックに通院中である。喫煙歴 30 年( 1 日 40 本)。かかりつけ薬剤師に患者から電話相談があり、「昨日、晴天の中ゴルフに出かけたところ、衣服から露出した部分が赤く日焼けのようになった」と相談があった。薬剤師が薬剤服用歴を確認したところ、光線過敏症の可能性が疑われたので、皮膚科受診を勧めた。
4 月 20 日 処方内容(内科)
テモカプリル塩酸塩錠 4 mg 1 回 1 錠( 1 日 1 錠)
ヒドロクロロチアジド錠 12.5 mg 1 回 1 錠( 1 日 1 錠)
1 日 1 回 朝食後 28 日分
ゾルピデム酒石酸塩錠 5 mg 1 回 1 錠( 1 日 1 錠)
1 日 1 回 就寝直前 28 日分
モサプリドクエン酸塩錠 5 mg 1 回 1 錠( 1 日 3 錠)
1 日 3 回 朝昼夕食後 28 日分
ケトプロフェンテープ 20 mg 1 回 2 枚( 1 日 2 枚)
1 日 1 回 朝 腕・腰に貼付 7 日分
問 204(実務)
皮膚症状の原因として、考えられる薬剤はどれか。2つ選べ。
1 テモカプリル塩酸塩錠
2 ヒドロクロロチアジド錠
3 ゾルピデム酒石酸塩錠
4 モサプリドクエン酸塩錠
5 ケトプロフェンテープ
問 205(実務)
前述の患者が皮膚科を受診し、光線過敏症の診断を受け、以下の処方箋を持って
薬局を訪れた。
(処方)
トプシムスプレー 0.0143%(注) 28 g 1 缶
1 回適量 1 日 2 回 朝夕 腕に噴霧
(注)有効成分 1 g 中にフルオシノニド 0.143 mg を含有する噴霧剤
皮膚科から処方された噴霧剤に関する説明として、適切なのはどれか。2つ選べ。
1 炎症に伴う発赤、腫れ、かゆみなどの症状を改善します。
2 患部に水疱ができている場合は使用しないでください。
3 患部に傷がある場合でも使用できます。
4 目の周りの症状にも使用できます。
5 たばこなどの火気を避けて使用してください。
問 207(物理・化学・生物)
薬剤師は患者に対し、今後の対応として日焼け止め剤の利用を勧めることにし
た。日焼け止め剤に含まれている化合物のうち、光線過敏症の発症に予防的に機能
することが期待されるものとして、適切でないのはどれか。1つ選べ。
問題解説
問204 光線過敏症を起こす薬剤
問204は光線過敏症の原因となる薬剤に関する問題です。
正解は2のヒドロクロロチアジド、5のケトプロフェンテープが正解となります。
この問題を通じて、「原因となる薬剤を覚えなきゃいけないんだな」と思った人は、半分正解です。
効率よく覚える人はこのように考えます。
ポイント:光線過敏症の原因となりうる薬剤の薬効群を覚えよう!
こちらの方が応用が利くわけですね。
つまり、自分が覚えていない薬剤が問題に取り上げられたとしても、
「この薬効群はこういう性質があったから、これかな」と推測できるようになってくるわけです。
このように、1つ1つ覚えていたらきりがない薬剤師国家試験は、要点をうまくおさえることが重要。
最初のうちは知らないことだらけ。
このやり方を続けることで、「もしかして……」って気づきが出来るようになります。
ちなみに、光線過敏症の原因薬として自分が学生時代覚えていたものは、
「NSAIDs、チアジド系利尿薬、ニューキノロン系、テトラサイクリン系」くらいです。
国試合格を効率よく目指すのであれば、少量の知識を応用していく力の方が重要です。
問205 光線過敏症って?
この問題、答えは1、5となります。
・「フルオシノニド」というワードからステロイドだと気づく力
・「スプレー」というワードから火気厳禁と気づく力
この2点がわかれば答えを見出すことができます。
ただ、この問題を通して伝えたいのは、次のことです。
ポイント:光線過敏症の症状を説明できますか?
「光線過敏症」という言葉だけではなく、「どんな症状か」も知っておいた方がよいというわけです。
薬剤師として、患者さんに指導をするとき、副作用の説明もしますよね?
その時に「光線過敏症がでるかもしれないので気を付けてください」とは説明しないわけです。
患者さんにわかりやすいように、具体的な症状も踏まえながら指導しなくては伝わりません。
薬剤師として患者さんを指導する上で必要なことを、国試でも設問で出しているのです。
ちなみに、光線過敏症の症状は、「湿疹や紅斑、水疱などの皮膚症状」です。
同じように、例えば「横紋筋融解症」とか「間質性肺炎」などは薬剤の副作用で出てくるワードです。
これらの症状もおさえておくと、国試で自信をもって回答を選ぶことが出来る問題が増えるでしょう。
207 構造式問題
構造式からどんな情報をキャッチできるかが、勝利のカギになります。
今回は日焼け止め剤に含まれる成分として不適なものを選ぶ問題です。
要するに、仲間外れを選ぶ問題ですね。
問題にもよりますが、この「仲間外れ」を選ぶ問題は知識がなくても解けるケースがあります。
今回の場合だと、4以外はすべて共役系があるのがわかります。
だから、答えは4。
日焼け止め成分が共役系を有していて、その部分で紫外線の波長を吸収していることを知らなくても、この問題は答えられるわけです。
「わからない」と慌てるのではなく、ちゃんと考えて答えれば出来る問題もあることがわかりましたね。
まとめ
いかがだったでしょうか。
答えを覚えるだけでなく、どういった思考が大事なのかが伝わっていれば幸いです。
薬剤師国家試験を解説していくので、もし解説してほしい問題などありましたら、taku(@taku159_)へ連絡ください。
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