【現役合格】必見!病院薬剤師による薬剤師国家試験解説!第107回薬学実践問題をわかりやすく。

薬剤師国家試験解説

今回は第107回薬剤師国家試験の問題を解説します。

答えを教えるだけではなく、どういった視点や考え方が必要なのかを中心に説明します。

解説を読むうえで、この記事の考え方を先に読んでいただくと、より理解しやすくなります。

効率よく覚えていくための2つのポイント!実は絵を上手に描くためのコツが勉強でも役立つ!?

簡単に自己紹介

taku(@taku159_)といいます。

慶應義塾大学薬学部を卒業し、現役で国試合格。

がん治療、緩和治療に貢献できるよう、日々認定取得に向けて自己研鑽中。

新人教育にも携わっており、一緒に薬剤師業界を盛り上げていく仲間を募集しています。

この記事を読んでほしい人

・薬剤師国家試験を現役合格したい人
・将来薬剤師として働く際、どういった視点が必要なのか知りたい人

taku
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問題の解説を読んで、誤った勉強をしてしまうのはもったいないです。

要点をおさえた勉強を一緒にしていきましょう。

第107回薬剤師国家試験 問196-197

今回は第107回薬剤師国家試験の問196-197を解説します。

まずは問題から。

問 196−197 17 歳男性。身長 175 cm、体重 72 kg。悪性軟部肉腫に対し、以下の処方で
初期治療を行うことになった。
(処方)
ドキソルビシン塩酸塩注射用 120 ㎎
生理食塩液 50 mL 1 本
30 分かけて点滴静注


問 196(実務)
この処方を調製する際には、難溶性の凝集体が生成することがある。確実に溶解
させるための操作として、適切なのはどれか。2つ選べ。なお、処方にない溶解液
を用いる場合は、医師に確認した上で行うものとする。
1 微量の生理食塩液をゆっくり加えて攪拌後、生理食塩液 50 mL に混合する。
2 溶解に必要な量の生理食塩液を素早く加えて攪拌後、生理食塩液 50 mL に混合
する。
3 溶解に必要な量の注射用水を素早く加えて攪拌後、生理食塩液 50 mL に混合す
る。
4 溶解に必要な量の 7 %炭酸水素ナトリウム液を素早く加えて攪拌後、生理食塩
液 50 mL に混合する。
5 溶解に必要な量の 10 %塩化ナトリウム液を素早く加えて攪拌後、生理食塩液
50 mL に混合する。

問 197(物理・化学・生物)
前問の難溶性凝集体が生成する相互作用として、適切なのはどれか。1つ選べ。
なお、ドキソルビシン塩酸塩の構造式は以下のとおりである。

1 π-π スタッキング
2 配位結合
3 疎水性相互作用
4 水素結合
5 電荷移動相互作用

問題解説

問196 薬剤を溶解する際のポイント

問196はドキソルビシンの溶解方法に関する問題です。

正解は2の生食、3の注射用水を素早く加えるが正解となります。

ポイント:ほとんどの薬剤は生食、注射用水、ブドウ糖で溶解する!

薬剤の溶解方法の最重要ポイントです。

ここがおさえたら、次に重要なポイント:注射用水で溶解しなくてはいけない薬剤を覚えましょう。

解説によっては、「添付文書に記載されています」となっているものもあるでしょう。

確かにそうなのですが、決して下記のような思考にはならないでください。

×:添付文書を見て、他の薬剤も希釈液が何か覚えなきゃいけないのか。無理ゲー(笑)

薬剤師ですらない、薬学部生にそこまでは求めていないだろうし、私でも全薬剤は無理です(笑)

taku
taku

薬剤師として、添付文書を見れば溶解方法が記載されている事実を知っていることが重要!

最後に、1と2の区別ですね。

ゆっくり入れるか、素早く入れるか。

これについては、問題文に「難溶性の凝集体が生成する」とヒントがあります。

要するに、溶けにくくなるって書いてあるんです。

日常的な感覚で、素早く入れた方が溶けやすいイメージありますよね。

こういった感覚的なところも、国試の選択肢を選ぶうえで役に立ちます。

「しらない、どうしよう」となるのではなく、今までの経験をフルに活用しましょう!

問197 分子間相互作用

問197は分子間相互作用関連の問題で、答えは1となります。

ポイント:π-πスタッキングの相互作用では、連なる芳香環がある

構造式をみて「芳香環が続いているな」と思ったら、このポイントが思いつけるようになりましょう。

国試ではこの問題のように、構造式を載せてくる問題が多数存在します。

taku
taku

「構造式からどんな情報が得られるか」といった視点で日々勉強しましょう!

ちなみに、他の選択肢の私の持っているイメージもお伝えしておきます。

配位結合:余った電子対をあげるイメージ
疎水性相互作用:長い炭素鎖間で起こるイメージ
水素結合:文字通り、水素Hと他の原子間で起こるイメージ
電荷移動相互作用:ヨウ素デンプン反応が連想できればOKなイメージ

最初はこの程度の理解でよいのです。

ここまで理解したら、より詳しく知識を詰めましょう!

寄り道:薬剤を調製するときに気を付けていること

ここは薬剤師を目指す方のみ、読んでいただければいいです。

(あくまで+αの内容です。病院実習の実習先で聞いているイメージで読んでください。)

薬剤を溶解するとき、ドキソルビシンのように溶解液を素早くいれるものがあります。

「逆にゆっくり入れるものはあるの?」という疑問にお答えしましょう。

答えはYES。

泡立ちやすい薬剤は溶解液を素早く入れると、泡立ってしまい溶解するまでに時間がかかります。

どんな薬剤が泡立ちやすいのか、また関連する問題があったら、その時に解説します。

まとめ

いかがだったでしょうか。

答えを覚えるだけでなく、どういった思考が大事なのかが伝わっていれば幸いです。

薬剤師国家試験を解説していくので、もし解説してほしい問題などありましたら、taku(@taku159_)へ連絡ください。

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